エアコンの内部を調べていると、「シロッコファン」という名前を見かけることがあります。ただし、家庭用の壁掛けエアコンで吹き出し口の奥に見える細長い円筒形のファンは、一般的には「クロスフローファン」です。
シロッコファンとクロスフローファンは、どちらも空気を送るための送風ファンですが、本来は構造や空気の流れ方が異なります。名称だけで判断せず、どのタイプのエアコンの、どのファンを見ているのかを分けて考えることが大切です。
この記事の結論
シロッコファンと壁掛けエアコンの送風ファンは、同じものとは限りません
- シロッコファンは空気を送るための遠心式ファンの一種です
- 住宅用の壁掛けエアコンではクロスフローファンが一般的です
- 2つは形だけでなく、空気の流れ方や主な使用場所が異なります
- 送風ファンは熱交換した空気を室内へ送る役割を持ちます
- 汚れが見えても、無理に奥まで掃除したり分解したりしないことが基本です
名称だけでなく、ファンの形・位置・役割・掃除できる範囲を順番に確認すると整理しやすくなります。

シロッコファンとは送風に使われるファンの一種
シロッコファンは、空気を吸い込み、羽根の回転によって別方向へ送り出す遠心式の送風ファンです。円筒状に多数の羽根が並んでおり、空調設備や換気設備などで使われています。
エアコンでは、室内機の形や構造によって使われるファンの種類が異なります。住宅用の壁掛け形ではクロスフローファンが一般的ですが、天井吊り形や床置形などではシロッコファンが使われる場合があります。ファン形式の違いは、日本冷凍空調工業会の空調機器の送風機に関する解説でも確認できます。
名称を整理するときのポイント
- 「送風ファン」は空気を送る部品全体を指す言葉です
- 「シロッコファン」は送風ファンの種類の一つです
- 「クロスフローファン」も別構造の送風ファンの一つです
- エアコンの形や機種によって採用されるファンは異なります
そのため、「エアコンのファンだからシロッコファン」と一括りにはできません。まずは、自宅のエアコンが壁掛け形なのか、床置形や天井形など別のタイプなのかを確認すると整理しやすくなります。
壁掛けエアコンではクロスフローファンが一般的
家庭でよく使われる壁掛け形エアコンでは、吹き出し口の奥に細長い円筒形のファンが配置されています。このタイプは一般にクロスフローファンと呼ばれ、住宅用壁掛け形エアコンの送風ファンとして広く使われています。
一方で、一般向けの情報を調べると、この円筒形の送風ファンを「シロッコファン」と表現している例もあります。名称だけを見ると混乱しやすいため、構造と空気の流れ方まで分けて確認することが重要です。
シロッコファンとクロスフローファンの違い
シロッコファンとクロスフローファンの違いは、単なる呼び方ではありません。主に、空気を取り込む方向と送り出す方向、使用される場所が異なります。
| 比較項目 | シロッコファン | クロスフローファン |
|---|---|---|
| 種類 | 遠心式ファン | 横流式のファン |
| 空気の流れ | 軸方向から吸い込み、外周方向へ送り出す | 円筒状のファンを横切るように空気が流れる |
| エアコンでの主な使用例 | 天井吊り形・床置形など | 住宅用壁掛け形など |
| 住宅用壁掛けエアコン | 一般的とは限らない | 一般的に使われている |
つまり、円筒形に見えるという理由だけで、すべてをシロッコファンと判断するのは正確ではありません。特に壁掛け形エアコンを調べている場合は、「クロスフローファン」という名称も合わせて確認する必要があります。

エアコンのファンは名称だけで判断しない
エアコン内部の部品名を調べると、「シロッコファン」「クロスフローファン」「送風ファン」など複数の表現が出てきます。しかし、「送風ファン」は部品の役割を広く示す言葉で、シロッコファンとクロスフローファンはその構造を区別する名称です。
この記事では、住宅用壁掛け形エアコンの細長い送風ファンについては「クロスフローファン」、シロッコ構造のものは「シロッコファン」と分けて扱います。

エアコンの送風ファンは何をしている?
送風ファンの主な役割は、エアコン内部で温度を調整した空気を室内へ送り出すことです。ファン自体が空気を冷やしたり暖めたりしているわけではありません。
エアコンは室内の空気を吸い込み、熱交換器を通して温度を変え、その空気を送風ファンによって吹き出し口から室内へ戻します。熱交換器の働きについては、エアコンの熱交換器の役割で詳しく整理しています。
| 流れ | 主な役割 |
|---|---|
| 1. 室内空気を吸い込む | 吸込口から室内の空気を取り込む |
| 2. 熱交換器を通る | 冷房・暖房に合わせて空気の温度を調整する |
| 3. 送風ファンが回る | 温度調整された空気を吹き出し口へ送る |
| 4. 室内へ吹き出す | 風向板などを通して室内へ空気を戻す |

そのため、送風ファンの状態は風の出方を考える材料の一つになります。ただし、風が弱いからといってファンだけが原因とは限りません。フィルター、熱交換器、運転設定、設備側の不具合など、ほかの要因も考える必要があります。
送風ファンの汚れは風量や臭いを確認する材料になる
送風ファンはエアコン内部にあるため、運転中に流れ込むホコリなどが徐々に付着することがあります。使用環境によっては、吹き出し口から見たときにファン表面の汚れが目立つ場合もあります。
ただし、見えている汚れだけで、風量低下や臭いの原因をファンに限定することはできません。ファンの状態は、複数ある確認項目の一つとして扱います。

吹き出し口から見える汚れだけでは内部全体は判断できない
吹き出し口から確認できるのは、送風ファンや風向板など内部の一部分です。熱交換器の奥やファンの裏側などは、そのままの状態では十分に確認できないことがあります。
そのため、「ファンがきれいだから内部もきれい」「ファンに黒い汚れがあるから内部全体も同じ状態」とは判断できません。見える場所と確認できない場所を分けて考える必要があります。
内部で確認できる範囲については、エアコン内部で見える範囲と確認できる限界も参考になります。
ファンを見るときの確認ポイント
- 吹き出し口周辺にホコリが付いているか
- ファン表面に目立つ汚れがあるか
- 吹き出す風に気になる臭いがあるか
- 以前より風量が弱く感じるか
- 異音や回転の違和感がないか
汚れがあっても原因をファンだけに決めない
ファンに汚れが付着していれば、清掃を考える材料にはなります。しかし、臭いや風量低下がある場合でも、原因がファンだけとは限りません。
例えば、フィルターの目詰まりや熱交換器の汚れ、室内環境、運転設定などでも風の状態は変わります。症状とファン汚れを一対一で結び付けず、複数の確認項目から判断します。
吹き出し口に軽いホコリが見えるだけで、臭い・風量低下・異音などがなければ、まずは取扱説明書で案内されている範囲を確認すれば十分な場合があります。汚れの範囲を判断しにくい場合は、写真で状態を整理できます。
ファンの汚れが気になる場合は、写真で状態を整理できます
自分で触る範囲か判断しにくい場合は、エアコン全体と吹き出し口の写真があると状態を確認しやすくなります。
- エアコン全体が分かる写真
- 吹き出し口全体の写真
- ファン表面の汚れが分かる写真
- 本体の型番が分かる写真
ファンは見える範囲の確認と内部洗浄を分けて考える
吹き出し口からファンの状態を確認することと、ファンを実際に洗浄・分解することは別です。特に壁掛けエアコンの送風ファンは、本体の奥に組み込まれています。
一般生活者が確認する場合は、取扱説明書で利用者向けのお手入れとして案内されている範囲を基本にします。運転中の吹き出し口へ手や道具を入れたり、内部部品へ無理に触れたりしないでください。安全上の基本事項は、日本冷凍空調工業会のエアコン安全使用に関する案内でも確認できます。
自分で確認する範囲
まずは運転を止め、機種の取扱説明書を確認します。フィルターや外装など、メーカーが利用者向けのお手入れとして案内している範囲と、送風ファンなどの内部部品は分けて考えます。
| 状態 | 判断の目安 |
|---|---|
| 吹き出し口周辺に軽いホコリがある | 取扱説明書で案内された清掃範囲を確認する |
| ファン表面に汚れが見える | 内部の汚れを考える材料にする |
| 奥まで道具を入れないと届かない | 自己作業の範囲を広げない |
| 分解や内部への水掛けが必要 | 日常のお手入れとは別の内部洗浄として考える |
| 異音や回転の異常がある | 掃除だけの問題と決めず、点検も検討する |

送風ファン周辺を確認するときの注意
- 運転中に吹き出し口へ手や道具を入れない
- ファンを手で強く回したり押したりしない
- 電装部分へ水や洗剤を掛けない
- 取扱説明書で案内されていない分解を前提にしない
- 奥まで作業しないと届かない場合は、自己清掃の範囲を広げない
内部洗浄を検討する範囲
送風ファンの奥や熱交換器まで汚れが広がっている場合は、表面だけを拭く掃除とは分けて考えます。内部部品へのアクセスには分解が必要になる機種もあり、メーカーや機種によって構造も異なります。
どこまで部品を外して洗うのかを確認したい場合は、エアコン分解洗浄で洗う範囲で整理できます。
内部洗浄を依頼する段階で費用を確認したい場合は、エアコンクリーニングの料金相場と追加料金を確認すると、タイプによる違いを比較しやすくなります。
この記事では送風ファンの種類と、自分で確認する範囲を整理しています。実際に内部洗浄を依頼する段階では、東京23区でエアコンクリーニングを検討するときの料金・作業範囲も確認すると、依頼前の条件を整理しやすくなります。
判断に迷う場合は、LINEで状態を確認できます
エアコン・浴室・レンジフード・水回り・空室クリーニングなど、気になる汚れや作業範囲は写真で整理しやすくなります。

まだ依頼するか決めていない段階でも、気になる箇所の写真をもとに状態を整理できます。料金や作業範囲を確認してから、自分で対応するか相談するかを判断できます。
シロッコファンの名称より「どのファンか」を確認することが大切
シロッコファンは送風ファンの一種ですが、住宅用の壁掛けエアコンで吹き出し口の奥に見える細長いファンは、一般的にはクロスフローファンです。似た形に見えても、構造や空気の流れ方は同じではありません。
エアコン内部を確認するときは、名称だけにこだわるより、「どの形のエアコンか」「どこにあるファンか」「何の役割をしているか」を順番に確認した方が判断しやすくなります。
ファン表面に汚れが見えても、それだけで内部全体の汚れや不具合を断定することはできません。見える範囲を確認し、臭い・風量・異音なども合わせて整理してください。
自分で対応する場合は、取扱説明書で案内されている範囲までに留めます。奥まで分解したり、水や洗剤を使用したりする必要がある場合は、日常のお手入れとは別の内部洗浄として考えます。

よくある質問
シロッコファンという名称や、吹き出し口から見えるファンの判断について、本文で残りやすい細かな疑問を整理します。
- Q.エアコンのシロッコファンとクロスフローファンは同じですか?
- A.
同じものではありません。どちらも空気を送るためのファンですが、構造と空気の流れ方が異なります。住宅用の壁掛け形エアコンではクロスフローファンが一般的です。実際の構造は機種によって異なるため、取扱説明書やメーカー情報も確認してください。
- Q.吹き出し口の奥に見える黒い筒状の部品はファンですか?
- A.
一般的な壁掛け形エアコンでは、吹き出し口の奥に細長い円筒形の送風ファンが見えることがあります。ただし、内部構造や部品の色・位置は機種によって異なるため、見た目だけで部品を断定しない方が安全です。
- Q.エアコンのファンに黒い汚れが見えたら掃除が必要ですか?
- A.
黒い汚れが見えることは清掃を考える材料になりますが、見えた時点で内部洗浄が必要とは限りません。臭い・風量低下・異音がなく、軽い汚れだけであれば、まずは取扱説明書で利用者向けに案内されている範囲を確認します。奥まで道具を入れたり、分解が必要になったりする場合は、日常のお手入れとは別の内部洗浄として考えてください。
- Q.エアコンのファンは自分で取り外して洗えますか?
- A.
一般生活者向けには、ファンの取り外しを前提とした掃除はおすすめしません。ファン周辺にはモーターや電装部品があり、メーカーや機種によって分解方法も異なります。利用者向けのお手入れ範囲は取扱説明書を優先し、それを超える分解や内部洗浄は別の作業として判断してください。
